北海道の河川で釣りをするときに気を付けていただきたいことをまとめておきます。他都府県から北海道に釣りに来る方のガイドになれば幸いです。
以下のページに一度目を通していただけるとよいのですが、ちょっと見づらいので、記事を読んでから詳細を確認する目的でご一読を。
フィッシングルール2022 Rule&Manner Web版
北海道の川釣りをざっくり解説
さけ・ますは川で釣っちゃダメです
河川でのさけ・ますの捕獲はすべて禁止されています。比較的自由で広大な北海道といえども、さけ・ますに関しては規制が多いです。
※2河川(浜益川、忠類川)では許可を得てさけ釣りができるが、近年はコロナにより中止が多い。詳しくはお問い合わせを。
※さけ・ますとはさくらます、からふとます、べにます、ぎんます、ますのすけを指す。
私も秋にニジマス狙いで釣りをしていて、目の前をさけが遡上していくのを何度も見たことがあります。私がやっているテンカラのような小さい毛ばりには見向きもしないので釣れることはまずありませんが、ちょっとドキッとしてしまいますね。
内水面だけではなく、河口でのさけ・ます釣りにも規制があります。詳しくはこちらで確認をしてください。
禁漁期間は、たとえさけ・ます狙いではなくても河口での釣りは自粛したほうが良いと思います。北海道に住んでいて肌感覚で実感するのは、ウニ・アワビの密漁、サケの密漁に関してはかなり厳しく取り締まっている印象です。
北海道でさけ・ますを釣ろうとお考えの方は、ツアーに参加したり河口の町の民宿に問い合わせてみるとよいでしょう。さけ釣りで有名な河川の河口には、釣り人による観光効果を期待した民宿や商店が多く営業しています。
ヤマメの禁漁期間に注意しましょう
北海道の河川は他都府県の河川と違い漁業権が設定されていない河川がほとんどです。なので遊漁券を購入することなく自由に釣りをすることができます。
ですが、ヤマメに関してはすべての河川で禁漁期が存在します。
4.1~5.31 上川・空知・石狩・後志・桧山・渡島・胆振
5.1~6.30 日高・十勝・釧路・根室・オホーツク・宗谷・留萌
上記の期間内に対象エリアでヤマメを捕獲してはいけません。札幌とその近郊では4・5月はヤマメを釣ってはいけないと覚えておきましょう。道東・道北では5・6月はヤマメを釣ってはいけません。シンプルなルールですね。
釣りが一切禁止!保護水面に注意
先ほどヤマメの春の禁漁期について説明しました。では禁漁期以外は自由に好きな川で何を釣ってもよいのかと思われるでしょう。しかし、北海道には全面的に釣りが禁止されている河川もあるんです。
また、期間とエリアを指定して禁漁としているケースもあります(千歳川が有名)。以下を参考に釣行の際には誤って釣りをしてしまわないように十分注意しましょう。
保護水面、資源保護水面については以下を参考にしてください。
グーグルマップなどで釣行計画を立てる際に、気になる河川があったらこの表に記載がないかを確認するようにしましょう。保護水面では本流・支流すべての流域で一切の水生動物の採捕が禁止されています。釣り具をもって川に入るだけでもNGということになります。
川釣りで他に気になること
キャッチアンドリリースでも法に抵触するのか?
この問題はしばしば釣り人の間で議論になるものです。
千歳川で4月にブラウントラウト狙いで釣りをしていたら、ヤマメが釣れてしまって即リリースをした。このようなケースは法に抵触するのでしょうか?
これは、ルール的にはアウト、違法行為となります。以下のページ左下に記載がありますが、狙って釣ったわけでもなく、持ち帰ろうとしていなくても釣りという行為でヤマメを採捕しているので違法行為とされてしまいます。
では、ヤマメの禁漁期にあたる4・5月(道東では5・6月)には川釣りは自粛したほうがよいのでしょうか?
この疑問の答えは各人に委ねるしかありません。厳密にいうとヤマメをかけて手元まで持ってきてしうと違法行為になります。もし、人生においていかなる違法行為もしないということを大切にかんがえていらっしゃる方は、ヤマメ禁漁期には川に入らないことをお勧めします。
さて、建前はこのくらいにして、実際に北海道に住んでいる人がどんな釣りをしているのか、お話しましょう。
北海道の河川は4・5月は雪解け水によって増水しているため、本流では基本的に釣りになりません。釣りをするには支流の源流部まで行く必要があります。
私は春先から釣りをしたいので、3月末から源流や小河川に行きますが、今までにヤマメを釣った実績がない川に入ることにしています。狙うのは主にニジマスになります。
一度だけ禁漁期間にヤマメをかけてしまい、即リリースをしたことがあります。もし仮に、取り締まりをする人に目撃されたとしても、おそらくを「気を付けてくださいね」で終わります。ヤマメの規制に関してはそれほどうるさくありません。
またもし仮に、私がキープ派で、腰から下げた魚籠に大量のヤマメを持っていたとしたら、ちょっとまずいかもしれませんね。でも、ヤマメの密漁をして逮捕されたという話は少なくとも私は聞いたことがないので、めちゃくちゃ悪質でない限りは注意で済まされるのでしょう。
なにが言いたいのかというと、規制はグレーであとはマナーの問題だということです。この記事を読んでいる方は、自ら釣りに関する規制を調べようとするくらいの人なので、まったく問題ないと思います。
でも、しつこいですが、さけ・ますは絶対に釣ってはいけませんよ!
ヒグマに出会うことはあるのか?
私は釣りをしていてヒグマに遭遇したことはありません。登山をしていて100メートルくらい先にヒグマの親子を目撃したことはあります。
あなたもご存じでしょうが、釣り人は嘘つきが多く、こと釣った魚のサイズとヒグマとの遭遇の武勇伝はもりに盛る傾向があります。
私が信用できると思っている釣り人に関しては、ヒグマとの遭遇率は0%です。糞を目撃したという話や、爪とぎの跡を見たという痕跡の話はよく聞きますが、遭遇したという話は聞いたことがありません。
でも実際に、釣り人や山菜取りの人が襲われたというニュースは耳にするので、絶対にないとは言い切れません。でも、私の感覚では、ヒグマに遭遇してしまう人は警戒を怠っていたのではないかと思います。
山や川に慣れている人ほど、その恐ろしさを勉強していますし、万が一出会ってしまったときのために、対処法や生態を普段から頭に入れて渓流や沢に向かいます。
過度に恐れると釣行自体が楽しくなくなってしまうので、しっかり事前に情報を収集し、もし出会ってしまったときにどういう行動をとるかをシミュレーションして川に入るようにしましょう。
こちらのサイトを参考にして、釣行予定の川付近で最近ヒグマが目撃されていないかを確認してから出かけましょう。一度人間を襲ったり、荷物を漁っているヒグマは大変危険ですので。
まとめ:ルールを守って楽しく安全に釣りを
ということで、北海道の釣りにおける規制(レギュレーション)とちょっと気になることについて、簡単にお話させていただきました。
今回お話しした中で、特に注意をしていただきたいのは、釣りが全面的に禁止されている保護水面の存在です。私も危うく釣りをしてしまうところでした。支流もダメだということを知らない人は結構いると思うので、十分注意してください。
長く釣りをしていると、明らかに密漁だろうという人や、著しくマナーが悪い人に出くわすことがあります。その際には、直接注意をすることは避けたほうが良いでしょう。
私も何回かゴミを捨てている人に声をかけたことがありますが、そもそもこちらの言っていることを理解できないような人たちが多いので、黙ってゴミを拾ってその場を去るようになりました。
悪質な不法投棄や密猟は通報するか見なかったことにするかの二択だと思います。通報すると通報した人が長時間の拘束&事情聴取をされることになるので、そこんところ、行政は何とかしてほしいと思います。
ルールを知ってマナーを守って、お互いに気持ちよく釣りをしたいものですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿