【規制とマナー2023】北海道で川釣りをする際に気をつけてほしいこと

2022/05/20

釣行記

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北海道の河川で釣りをするときに気を付けていただきたいことをまとめておきます。他都府県から北海道に釣りに来る方のガイドになれば幸いです。

北海道が発行しているパンフレットがありますので、各詳細はこちらで確認してください。

フィッシングルール2022 Rule&Manner Web版

当サイトでは釣りガイドも行っております。

札幌発の渓流釣りガイドならキタテンへ

北海道の川釣りをざっくり解説

さけ・ますは川で釣っちゃダメです

原則、河川でのさけ・ますの捕獲はすべて禁止されています。

※2河川(浜益川忠類川)では許可を得てさけ釣りが可能。近年はコロナにより中止が多い。詳しくはお問い合わせを。

※さけ・ますとはさくらます、からふとます、べにます、ぎんます、ますのすけを指す。

私も秋にニジマス狙いで釣りをしていて、目の前をさけが遡上していくのを何度も見たことがあります。私がやっているテンカラのような小さい毛ばりには見向きもしないので釣れることはまずありませんが、ちょっとドキッとしてしまいますね。

内水面だけではなく、河口でのさけ・ます釣りにも規制があります。詳しくはこちらで確認をしてください。

【令和4年8月5日現在】 令和4年度 河ロ付近等におけるさけ・ます採捕禁止区域一覧

北海道に住んでいて肌感覚で実感するのは、ウニ・アワビの密漁、サケの密漁に関してはかなり厳しく取り締まっている、ということです。

北海道でさけ・ますを釣ろうとお考えの方は、船釣りツアーに参加したり河口の町の漁協や民宿に問い合わせてみるとよいでしょう。さけ釣りで有名な河川の河口には、釣り人による観光効果を期待した民宿や商店が多く営業しています。

ちなみに、かなり混みあうことは覚悟してください。個人的な意見ですが、イクラが欲しければ市場ですじこを買って作ればいいし、大物トラウトを釣りたいのであれば湖での釣りをお勧めします。

でも一定のファンがいますので、サケ釣りはサケ釣りという別分野のように感じます。

ヤマメの禁漁期間に注意しましょう

北海道の河川は他都府県の河川と違い漁業権が設定されていない河川がほとんどです。なので遊漁券を購入することなく自由に釣りをすることができます。

ですが、ヤマメに関してはすべての河川で禁漁期が存在します。

4.1~5.31 上川・空知・石狩・後志・桧山・渡島・胆振

5.1~6.30 日高・十勝・釧路・根室・オホーツク・宗谷・留萌

上記の期間内に対象エリアでヤマメを捕獲してはいけません。札幌とその近郊では4・5月はヤマメを釣ってはいけないと覚えておきましょう。道東・道北では5・6月はヤマメを釣ってはいけません。シンプルなルールですね。

釣りが一切禁止!保護水面に注意

先ほどヤマメの春の禁漁期について説明しました。では禁漁期以外は自由に好きな川で何を釣ってもよいのかと思われるでしょう。しかし、北海道には全面的に釣りが禁止されている河川もあるんです。

札幌近郊の保護水面(釣り禁止河川)は以下の通りです。

  • 厚田川本支流
  • 暑寒別川本支流
  • 信砂川本支流
  • 積丹川本支流
  • 余別川本支流
  • 古宇川本支流

また、期間とエリアを指定して禁漁としているケースもあります(千歳川が有名)。以下を参考に釣行の際には誤って釣りをしてしまわないように十分注意しましょう。

北海道漁業調整規則等による区域、期間等の制限一覧

グーグルマップなどで釣行計画を立てる際に、気になる河川があったらこの表に記載がないかを確認するようにしましょう。

保護水面では本流・支流すべての流域で一切の水生動物の採捕が禁止されています。特に支流は見落としがちなので要注意です。

保護水面では釣り具をもって川に入るだけでもNGということになります。くれぐれも気を付けてください。

北海道の川釣りで他に気になること

キャッチアンドリリースでも法に抵触するのか?

この問題はしばしば釣り人のあいだで議論になるものです。

千歳川で4月(道央のヤマメの禁漁期)にブラウントラウト狙いで釣りをしていたら、ヤマメが釣れてしまって即リリースをした。このようなケースは法に抵触するのでしょうか?

これは、ルール的にはアウト、違法行為となります。以下のページ左下に記載がありますが、狙って釣ったわけでもなく、持ち帰ろうとしていなくても釣りという行為でヤマメを採捕しているので違法行為とされてしまいます。

キャッチ&リリースは採捕のなるの?

では、ヤマメの禁漁期にあたる4・5月(道東では5・6月)には川釣りは自粛したほうがよいのでしょうか?

その答えは各人に委ねるしかありません。

厳密にいうと対象魚を手元まで持ってきてしまうと違法行為になります。もし、人生においていかなる違法行為もしないということを大切にかんがえていらっしゃる方は、ヤマメ禁漁期には川に入らないことをお勧めします。

さて、建前はこのくらいにして、実際に北海道に住んでいる人がどんな釣りをしているのか、お話しましょう。

北海道の河川は4・5月は雪解け水によって増水しているため、本流では基本的に釣りになりません。釣りをするには支流の源流部や雪の少ない地域まで行く必要があります。

私は春先から釣りをしたいので、3月末から源流や太平洋側の小河川に行きますが、今までにヤマメを釣った実績がない川に入ることにしています。狙うのは主にニジマスになります。

一度だけ禁漁期間にヤマメをかけてしまい、即リリースをしたことがあります。もし仮に、取り締まりをする人に目撃されたとしても、おそらくを「気を付けてくださいね」で終わります。サケの規制と比較すると、ヤマメの規制に関してはそれほどうるさくありません。

またもし仮に、私がキープ派で、腰から下げた魚籠に大量のヤマメを持っていたとしたら、ちょっとまずいかもしれませんね。でも、ヤマメの密漁をして逮捕されたという話は少なくとも私は聞いたことがないので、めちゃくちゃ組織的で悪質でない限りは注意で済まされるのでしょう。

なにが言いたいのかというと、規制はグレーであとはマナーの問題だということです。この記事を読んでいる方は、自ら釣りに関する規制を調べようとするくらいの人なので、まったく問題ないと思います。

でも、しつこいですが、どの川でもさけ・ますは絶対に釣ってはいけませんよ!

ヒグマに出会うことはあるのか?

私は釣りをしていてヒグマに遭遇したことはありません。登山をしていて100メートルくらい先にヒグマの親子を目撃したことはあります。

2023追記:2022年夏にヒグマに遭遇しました。詳しくはこちらをご覧ください。腰を抜かしました...

【2022夏】夕張川支流でヒグマに遭遇しました

あなたもご存じでしょうが、釣り人は嘘つきが多く、こと釣った魚のサイズとヒグマとの遭遇の武勇伝はもりに盛る傾向があります。

私が信用できると思っている釣り人に関しては、ヒグマとの遭遇率は0%です。糞を目撃したという話や、爪とぎの跡を見たという痕跡の話はよく聞きますが、遭遇したという話は聞いたことがありません。

でも実際に、釣り人や山菜取りの人が襲われたというニュースは耳にするので、絶対にないとは言い切れません。でも、私の感覚では、ヒグマに遭遇してしまう人は警戒を怠っていたのではないかと思います。

山や川に慣れている人ほど、その恐ろしさを勉強していますし、万が一出会ってしまったときのために、対処法や生態を普段から頭に入れて渓流や沢に向かいます。

過度に恐れると釣行自体が楽しくなくなってしまうので、しっかり事前に情報を収集し、もし出会ってしまったときにどういう行動をとるかをシミュレーションして川に入るようにしましょう。

ヒグマについてまとめた記事を作りました。参考にしてください。

北海道で渓流釣りをする際のヒグマ対策についてまとめました

ヒグマの出没状況を調べるにはこちらが便利です。

ヒグマ出没情報【市町村ヒグマ関連情報リンク集】

釣行予定の川付近で最近ヒグマが目撃されていないかを確認してから出かけましょう。このひと手間で大きく危険度は違ってきます。一度人間を襲ったり、荷物を漁っているヒグマは大変危険です。

まとめ:ルールを守って楽しく安全に釣りを

ということで、北海道の川釣りにおける規制(レギュレーション)とちょっと気になることについて書いてみました。概要はこんな感じです。

  • サケは川と河口付近で釣っちゃダメ
  • 遊漁券(ライセンス)は一部を除き不要
  • つりが全面禁止の河川がある
  • ヤマメの禁漁期がある

今回お話しした中で、特に注意をしていただきたいのは、釣りが全面的に禁止されている保護水面の存在です。私も危うく釣りをしてしまうところでした。支流もダメだということを知らない人は結構いると思うので、十分注意してください。

そして、長く釣りをしていると、明らかに密漁だろうという人や、著しくマナーが悪い人に出くわすことがあります。その際には、直接注意をすることは避けたほうが良いでしょう。

私も何回かゴミを捨てている人に声をかけたことがありますが、そもそもこちらの言っていることを理解できないような人たちが多いので、黙ってゴミを拾ってその場を去るようになりました。

悪質な不法投棄や密猟は、通報するか見なかったことにするかの二択だと思います。

通報すると通報した人が長時間の拘束&事情聴取をされることになるので、そこんところ、行政(警察のしくみ)はなんとかならないかなーと思っています。

ルールを知ってマナーを守って、お互いに気持ちよく釣りをしたいものです。

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