【道央東部の釣り】鵡川支流と穂別川支流でテンカラ

道東道むかわ穂別インターはそもそも釣りのためにできたのではないかというくらいに、周辺は山間渓流が多く、アクセスも良いので多くの釣り人がすでに訪れていると思います。

今回はそんなむかわ穂別インターの周辺で釣りをした話です。

コンテンツ

むかわ穂別インターと日高274号線付近で釣り

アクセス

札幌から出発するのであれば、高速道路を使うととても便利で、インターを降りるとすぐに穂別川とその支流にアクセスできます。札幌市内からだと1時間半程度で行くことが可能です。

私は江別市から下道で向かいましたが、それでも1時間半程度しかかかりませんでした。信号がほとんどないので運転は楽なのですが、その分ひどい追い越しをしてくる車も多いので十分注意をしてください。

鵡川支流某川

この日最初に入ったのは鵡川の支流です。予定では穂別川と鵡川の本流で大物を狙った釣りを考えていたのだが、行ってみると両河川とも濁っていました。ここ最近大雨は降っていないはずだったのに。おそらく当日未明に短時間で結構な降り方をしたのでしょう。

ということで、まずはバックアップとして考えていた鵡川の支流に入りました。国道から林道に入ってすぐにある川で、やぶの中に道もちゃんとできているので結構人は入っているみたいです。

レンタカーの、おっさんが乗るにはポップすぎるパステルカラーのミラココアを降りて釣りの支度をしていると、親指の先ほどもある巨大なアブが私の周りを飛び始めました。

帰宅してから調べてみるとアカウシアブという大型のアブで、場合によっては刺すようです。とにかくしつこく付きまとわれて準備もそこそこに慌てて川に降りました。川に降りてしばらくしてから、ランディングネットを車に忘れてきたことに気がつきました。アブのせいだ。

釣りを始めてからもずーっとアブに付きまとわれて、集中力が徐々にそがれていきます。

さて、釣りのほうですが、第一投でそこそこの大きさのヤマメかニジマスとおぼしき魚を掛けますがばらしてしまいます。魚影は濃いみたいでその後すぐにアタリがあり手元まで寄せてみると、なんとウグイではありませんか…

今日も前回に引き続きウグイを釣り続ける釣行になるのかなぁと暗い気持ちになりましたが、入渓してすぐの橋のたもとの深みから出てきたのは、まぁまぁのサイズのヤマメでした。

その後もポイントポイントでしっかりそこそこのサイズのヤマメが入れ食いだったし、川の流れも清冽で苔むした岩も多く、それ自体はとてもよかったのですが、なんせその間にもアブがずーっとわたしの周りをくるくる飛び回っています。

歩いても、キャスティングをしても、魚を釣り写真撮影をしても、とにかくずーっと顔の周辺にアブが飛び回っています。

そして、目にたかってくるハエ(メマトイ)もずーっと目の周りを飛び続け時には目に飛び込み、耳元では蚊が「ひぃーーん」とささやき続けます。そして気がつくと帽子のつばの裏側、私の額のすぐ近くに巨大な毛虫がついている!!

慌てて帽子を取りバサバサすると帽子の上に乗せていた偏光グラスが川のなかへ飛び込みました。ちょうど深いところに沈んでいってしまい救出は不可能。あぁやってしまった。おそらく私の装備品の中で最も高価だったオークリーの偏光グラスが…

飛んで行ったのは私の偏光グラスだけで肝心の巨大な毛虫はまだ私の帽子のつばにしっかりしがみついていました。

偏光グラスは下流に流されているかもしれないので一応周囲を探してみましたが、やはり見つけることができず、あきらめて釣りを続けます。

気を取り直してしばらく釣りあがりましたが、出てくるのはすべてヤマメで最大で22センチ、アブもうるさいしそのほかの虫もうるさいので早々に車に戻ることにしました。

途中で川が分岐していたので、二つの支流に入ったことになります。おそらく尺に迫る大きなヤマメはすでに抜かれてしまっているのでしょう。それにしても、支流のこの魚影の濃さを見ている限り、本流では尺ヤマメが期待できそうです。次回それを狙ってみたいですね。

偏光グラスのショックに耐えつつ、アブにまとわりつかれながらも瀕死の状態で車まで帰り着き、ロッドをしまおうとすると、一部が固着して完全に動かなくなってしまっていました。

以前固着したときには冷静に対処できたのですが、この日はもう精神が崩壊していたので、何を思ったかその場で何とかねじ込もうとしてしまい、力を入れると、ぐにゅっというなんとも気持ちの悪い手ごたえとともに、ロッドが…折れた…

あーもう帰りたい...空を仰ぎました。

すると上空ではイワツバメが飛んでいて、おそらく空中採餌をしているのでしょう、くるくると飛び回っています。そして近くの橋の下に入っていきます。巣があって餌を待っているひながいるようです。深い喪失感がちょっとだけ癒された瞬間です。

穂別川支流某川

さて「人間万事塞翁が馬」。偏光グラスを買いに行った先の店員のお姉さんと仲良くなって一緒に釣り行くことになるかもしれませんし、大物をかけたときにロッドが折れていた可能性もあるわけで。

そんなことを必死になって自分に言い聞かせつつ、残った本流用のロッドを握りしめて穂別川方面へ向かいました。

穂別川も本流は濁流になっています。ということで支流の一つを選んで入ってみました。ここでもアブがずーっとついてきます。そして釣れるのは開始からウグイばかりです。

他の方のブログなどで、穂別川はウグイの魚影が濃いということは知っていましたが、でもここまでくれば何らかのマスの仲間は混じってくるだろうと、我慢して本流用のロッドで狭い渓流を釣りあがりました。

そしてこのポイント。流れ込みと倒木が作る好ポイントです。いかに攻められるかが攻略のカギになるのだ、と一人で釣り番組的な解説を入れながら、雰囲気を作っていざ挑みます。

狙うのはウグイがついていそうな倒木の下流側ではなく、流れ込みから倒木までのごく短い区間です。

テンカラはロッドの角度を上げることによって、こういったポイントに高い位置からぽとりと、かつひっそりとピンポイントで毛ばりを落とすことができます。ちょうど頭上も開けていたので、ロッドをあまり振り込まずに高い位置をキープしたままにしました。

いい感じに毛ばりが流れに吸い込まれていきます。でも思った以上に水流が強くてあっという間に倒木の方へ毛ばりが走っていく。するとその手前で何かに引っ掛かったような手ごたえがあり、軽く合わせるとぐいぐいと返事が。

よし、と声を出してばっちり合わせたつもりが、なんとすっぽ抜け。ニジマスだとしたらもう一度はチャンスはあるはずなので、あきらめずに第二投。先ほどよりも奥、木の根やクマイザサの隙間をうまくすり抜けて毛ばりが水面に落ちます。

いいところに落ちたようで長い時間毛ばりが漂いますが、そのうち先ほどと同じようにどんどん倒木の方に吸い込まれていきます。この間約3秒。先ほどアタリがあった付近で再びたるんでいたラインが張ります。ちなみにトップの毛ばりでしたが、水流が複雑なため目視で追うことはできません。あたりはラインのたるみで取るしかないのです。

アワセはばっちり決まって魚が水面下で動き出します。すぐに倒木の影の深みに入り込もうとグイグイ引っ張ってきましたが、そんなことをされては確実に切られてしまうので、ここは短期決戦、一気に引き抜いて手前の緩い流れに出しました。

やはりニジマス。ウグイがつくにはちょっと流れが速すぎるという読みが当たりました。サイズはわずかに尺に届かないくらいでしたが、ここまでウグイを10匹くらい釣っていたので、うれしかったなーこの一匹のニジマスは。

その後もひたすら真面目にウグイを釣り続け、10匹に1匹小さいニジマスが混じるくらいの感じ。そして、こちらの川でも常にアブが同伴していて、ほんとに嫌になる…

一度車まで戻って、林道をもう少し先まで進み再び川に降りてみましたが、ウグイばかりなのは相変わらず。もうこれ以上、アブに付きまとわれるのには嫌気がさし、まだ時間はありましたが今日はここまでにしました。

まとめ:折れた心と竿はもとに戻るのか

ということで、まさに踏んだり蹴ったりの釣行を終えて帰宅し、いまこの記事を書いています。

一度折れた心をもとに戻すにはやはり甘いものだろ、ということで、でろんでろんに甘いものを食べながら折れたロッドを撫でまわしているところです。

私はこの日、ロッドを折り、偏光グラスを紛失し、それほどの釣果もなく、今日時点では記録的なワースト釣行かもしれません。でも、滑落してけがをしたり、車のカギをなくしたり、ヒグマに遭遇したりなどのもっと悪いケースはたくさんあるわけで、そこまで落ち込むほどでもないんじゃないかと自分を慰めました。

幸いにして、ロッドは一つのパーツを交換すれば復活させることができそうですし(すぐにパーツを取り寄せ見事復活!)、偏光グラスも4年ほど使い倒して、そろそろ傷も気になっていたところなので、買い替えの良いタイミングだったと思うことにしましょう。

肝心の釣りに関してですが、穂別川とその支流は頑張って入るほどの価値はないかもしれません。私が入った一つの支流だけの評価になってしまうが、渓相もよいとは言えず、いかにもウグイ河川といった感じです。

最初に入った鵡川の支流は虫さえいなければとても好きなタイプの渓流でした。前回の幾春別川の支流に匹敵するほどの素晴らしい流れで、あれでイワナも混じってもう少しサイズが出れば本当に申し分のない川なんだが、アクセスが良いだけにそれは望めないのでしょう。

次回も引き続き日高方面を探ってみたいけど、アブが本当にうざいのでしばらくは行きたくありません。

※むかわ穂別インター上空でオジロワシを見ました。この時期にしかも山の中でオジロワシってあり得るのかと思いましたが、自宅で調べてみると「一部は春以降も残留し道東や道北で繁殖する」(北海道野鳥ハンディガイド)とあるので、ありえないことではなさそうです。

この日の記録

釣った魚

  • ウグイ 多数(20~30センチ)
  • ヤマメ 8匹(18~22センチ)
  • ニジマス 1匹(29センチ)

主に使った毛ばり

ドライコンチュウ#10

確認した野鳥

  • カワガラス
  • ハクセキレイ
  • スズメ
  • オオヨシキリ
  • エゾセンニュウ
  • マガモ
  • オジロワシ
  • キジバト
コンテンツ