バードウォッチングを継続して楽しむためのコツとおすすめの道具

2022/06/06

雑記

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バードウオッチングはどこでもできるしお金もかからないし健康的だし、もしお子さんがいるのなら教育上とても良いしで、まさに完璧な趣味と言えます。

そんなバードウオッチングを挫折せずに長く楽しむためのコツを書いてみます。私は野鳥観察歴10年程度とそこまでベテランというわけではありません。

バードウオッチングを楽しむコツ

鳥好きおじさんと話さない

これが一番大事です。

各地域には数人、鳥や自然が好きな名物おじさん、もしくはおじいちゃんというものが存在します。彼らは日中暇なので、バードウオッチングスポットをブラブラしてターゲットを探しています。

ターゲットは鳥ではなくて、バードウオッチング初心者のあなたです。

ひとたび彼らに捕まってしまうと、延々と自身のバードウオッチングに関するうんちくを、聞いてもいないのにしゃべり続けます。

バードウオッチングの目的は人それぞれだと思いますが、その中で最も大切なことは、初めて知る喜びです。それを彼らは蹂躙します。

なにもわからないながらも自分の足で移動して、鳥を見つけ、図鑑で調べて名前を知り、それを記録していくこと、そして一歩進んで環境のことについて考えるようになること、それらがバードウオッチングがもたらしてくれる大きな喜びだと私は思っています。

しかし、鳥好きおじさんは自分のことしか考えていません。寂しいので話し相手が欲しいだけで、鳥のことや環境のこと、相手の楽しみのことなんかは二の次なのです。

バードウオッチングスポットに行ったとき、一人でぶらぶらしているおじさんには十分に気を付けてください。特に高級な一眼レフや双眼鏡を持っているソロでフリーなおじさんは地雷です。(若干偏見がありますが…)

もし、誰かに案内してもらったり、生態を説明してもらいたいのであれば、しかるべき団体に所属しているプロに案内をお願いしましょう。

プロは教えすぎにとても注意を払っています。さじ加減がわかっているのです。肝心なことは自分で調べたり発見したりするようにいい感じに誘導してくれ、バードウオッチングの楽しさを伝えてくれます。

ちなみに私は他人といると気を使ってしまうので、基本的に一人で鳥を見ます。バードウオッチングにも人それぞれペースがあって、同じ場所で長時間粘る人もいれば、頻繁に場所を変える人もいます。

正しい方法というものはありません。自分のしたいようにしましょう。自分のしたいようにするにはやはり一人が一番です。

もし一人だと楽しめないという人は、ペースが合う人を見つけましょう。双眼鏡から同時に目を離し、「今の見た?」ってお互いに見合う、そんな関係が理想的です。

自分で調べたほうが面白い

「あれは何ですか」「これはなんですか」と聞きまくる観光客とガイドさん、という光景を目にしたことがあります。それも、絶対に普段鳥なんか見ていないであろうおばちゃんに限って聞きまくったりします。

その場で人に聞いたことってすぐに忘れてしまいますよね。名前だけその場で教えてもらってもすぐに忘れてしまうし、経験の積み上げの先にある楽しみにはたどり着けません。

もし、本当にバードウオッチングを楽しみたいと思うのであれば、自分で名前を調べるクセを身に着けたほうが長く楽しむことができますよ。

最近は良い書籍がたくさんあります。

ただ単に種を羅列するだけの図鑑ではなく、判別のコツや着眼点を解説してくれる書籍です。それらを手にして、答えを急がずじっくり観察するスタイルを確立してください。

スズメでやカラスでも構わないのです。じっくり観察をして自分で特徴を記録し図鑑とすり合わせる作業をしてください。その経験の繰り返しが、瞬時に種を特定する能力につながっていき、バードウオッチングを楽しむための将来の財産になるはずです。

身近な鳥と通勤通学路

珍しい種はめったに見ることができません。当たり前の話です。反対に身近な野鳥は毎日のように観察することが可能です。

毎日見ることができる野鳥は、生態をじっくり観察するのにもってこいの対象です。

地域にもよりますが、シジュウカラなんかは身近でありながら美しく、さえずりも地鳴きもバラエティー豊富で、生態も不思議なことが多いので観察対象としてぴったりです。

鳥の生態にはパターンがあって、身近な種の生態をよく知っていると、ほかの種へも応用が利きます。まずは種をしぼってじっくり観察することをお勧めします。

その経験が、将来よりマニアックな鳥を追いかけるようになっても生きてくるはずです。

次に、野鳥を観察するフィールドは通勤通学路にある公園や雑木林を選びましょう。通勤時に小さい双眼鏡を常に持ち歩いて、鳥を見かけたら見るだけ。それで立派なバードウォッチングになります。

身近な公園や河川敷、雑木林でも、1時間ほど観察していれば二桁の種を見ることも可能です。

めったに行けない有名な観察スポットよりも、毎日必然的に通る場所の方が気軽に気負わずに野鳥観察を楽しむことができます。

同じ場所でも季節や天候によって鳥の出方は大きく変わり、一日として全く同じ日は存在しないので、飽きることはありません。

【道具編】双眼鏡、カメラ、図鑑について

双眼鏡の選び方

バードウオッチングにおいて双眼鏡は必須アイテムです。まさにピンからキリまであるものですが、有名メーカーの入門機種を購入してください。

倍率は8倍、ズーム機能や手振れ補正などの機能がついていないものにしましょう。

私が実際に使ってお勧めできるのはこの2機種です。いずれも入門機ですが品質は良いです。

予算に余裕があれば、ニコンのモナークがイチオシです。一生使える双眼鏡です。

双眼鏡選びで一番やってはいけないのは、数千円の中途半端なものをホームセンターで買うことです。それらはおもちゃで観察には不向きですしすぐに壊れてしまいます。

ある程度のものを買っておくと売却も可能です。3万円の双眼鏡を買って、あまりバードウオッチングは合ってないなと思ったら、売ればいいのです。箱と説明書を残しておき、きれいに使っていれば2万円くらいで売れてしまいます。

カメラの選び方


ここで言う「カメラ」はきれいに撮ることが目的ではありません。記録して自宅で図鑑と照合するために使うカメラを指します。双眼鏡による観察の場合だとあいまいな記憶を頼りにすることになり、なんだかモヤモヤしてしまいます。

記録用にはズーム機能が付いたデジカメがおすすめです。なんといっても安価だし、軽いし、高倍率だからです。

一眼レフで野鳥撮影用の装備を整えると数十万円しますが、デジカメだと3万円で同等の倍率のものを入手できます。もちろん画質の面では劣りますが、何かの賞に応募するわけではないので十分でしょう。

私が最近バードウオッチングを始めた母にプレゼントしたデジカメはこちらです。

このカメラ、あまり詳しくない人向けに作られています。ファインダーもないし細かい設定もできません。将来的に一眼レフへのステップアップを考えていなくて、手軽に野鳥撮影をしたい方にぴったりです。

ズームのすごさと軽さに驚きました。私の一眼があんなに重くて低倍率なのに…



そして母が撮った写真がこちら。このようにフィールドで写真を撮って自宅で図鑑片手に勉強をしているみたいです。きれいに撮れていますね。アカゲラの営巣を確認出来て喜んでいました。

図鑑の選び方

薄くて持ち運びが楽

可能であれば自宅用の大きな鳥類図鑑とフィールド用のハンディ図鑑の二種類を用意するといいのですが、そうもいかないと思います。図鑑は値が張りますし。

最もお勧めできるのは、日本野鳥の会発行のこちらのハンディ図鑑です。

私が使っているのはこちらです。情報量も程よくビニールカバーもついていて持ち運びにとても便利です。北海道に住んでいるのであればぜひこちらを!

掲載順が「日本鳥類目録」に沿っている

ちょっとマニアックなことなのですが、日本の鳥をリストにする際の基準は「日本鳥類目録」というものに則っていることが多いです。

違う図鑑を手にしたときにも調べやすいので、できれば「日本鳥類目録」と同じ記載順のものを選んでください。

日本鳥類目録第7版リスト

こちらのリンクにその並びが載っています。キジの仲間から始まり水鳥、猛禽類、身近なスズメ目という順に掲載されています。この順に掲載されている図鑑を選びましょう。

先ほど紹介した2冊もこの順に掲載されていますよ。

お住いの地域に特化したもの

日本で確認されている野鳥はたしか600種程度で、それらすべてを網羅している図鑑はボリュームが多くなってしまいます。

当然厚く重たくなりますし、種数が多いと検索にも時間がかかってしまいます。

お住いの地域で見られる鳥にしぼった図鑑がおすすめです。めったに見ることができない鳥が掲載されていても、一生見ずに終わってしまうからで、その紙面が無駄になってしまいます。

写真とイラストを併用している

動物や昆虫に関しては、実写よりも特徴を捉えて見やすく表現されているイラストの方がわかりやすかったりします。

構図も角度も、イラストなら自由自在というわけです。先ほど紹介した図鑑もすべてイラストがメインで掲載されています。

写真にも良いところがあります。それは、実際のフィールドでの見え方を確認できるということ。なので、写真とイラストを併用している図鑑が良いと私は考えています。

最後にこれら条件を満たしている、私も愛用しているハンディ図鑑をご紹介して終わります。

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