鉋(かんな)の研ぎ方のコツをイラスト解説します【悩んでいる人必見!】

2021/09/17

木工

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DIYを卒業し本格的な木工をする際の第一関門は

刃物研ぎです。

基礎なのにもっとも難しい。

でも、刃物を自由に扱えるようになると

制作の幅はぐっと広がります。


ということで、今回は鉋の研ぎ方について解説します。

昔の私がそうだったように、職業訓練校の木工科に通っている人

研ぎの迷路に迷い込んでしまった人に

読んでいただければ幸いです。


(一応プロの木工家です→ナカムラ木工


【一番大事】砥石の選び方と使い方

中砥石は同じものを2枚、仕上げは1枚が基本の組み合わせです。

具体的には以下の組み合わせが最も安価で確実です。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

キング デラックス 砥石 #1000 標準型 高級刃物用砥石
価格:1450円(税込、送料別) (2021/9/17時点)


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キング 仕上砥石 S-3 仕上げ用#6000
価格:1774円(税込、送料別) (2021/9/17時点)


1000番を2枚、仕上げは6000番を1枚でOK、安価なキングSー3で充分です。

キングは品質が安定しています。そして、やわらかくて平面を出しやすい。

私は使ったことはないですが、ベスターも良いみたいです。


よく砥石にやたら凝る人がいますが、この組み合わせで刃物の性能は十分発揮できます。

中には一つもまともに研げていない(刃先に砥石が当たっていない)にもかかわらず、刃物や砥石を多数収集している人もいます。

困ったものです。

この平面出しをした砥石で6000の砥石も平面を出します。


1000番は研ぐ30分ほど前から水に漬け、十分に水を吸わせてください。

泥状のとぎ汁も水をかけてきれいに流して、目詰まりを起こさないようにします。

6000番はあらかじめ水を吸わせる必要はありません。


砥石の平面を保つ方法


平面出しは5分に一回くらい、頻繁に行います。

方法は1000番の砥石二枚をすり合わせ、スムーズに動くようになるまでこすり合わせます。

この際、前後だけではなく

左右、円を描く動きも混ぜながら。

どの動きでも均一に砥石が全体に密着するまでこすり合わせてください。


この平面出しをした1000番の砥石は

6000番の砥石の平面キープにも使います。


なお、頻繁に行うことをさぼってしまうと、平面出しが大変な作業になってしまうし、最悪平面が出せないことになります。

研いでいる時間と同じくらいの時間を平面出しに使ってください。

ちょっと大げさだけど、それくらい大事な作業です。


大きく凹んだ砥石を直そうとすると、平面が出ているほうも形が崩れていきます。

こうなるとやばいです。(下図)


ここまで行ってしまうと、平らなガラスなどにサンドペーパーを張り付けて、ゴシゴシして平面を出すしかないです。



前後のストロークはゆっくりじわじわ


ベテランの職人さんはリズミカルにシャカシャカ研ぐ人が多いです。

しかし、初心者はそれを真似してはいけません。

ストロークは回数よりも質!

浮かせずに、刃先が砥石に当たっているか、それが大事!

速いストロークは丸刃になりやすく、注意も散漫になります。

慣れないうちは絶対にしてはいけません。


じゃあどうすればいいのか?

砥石の手前から奥まで

2~3秒くらいかけてゆっくり研ぎおろす感覚が重要です。

じわじわ動かすイメージです。

しのぎ面が平らで、裏がしっかり出ていれば、切れが止んだ刃物でも5分ほどで刃返りが出てきます。


繰り返しますが、ストロークは超ゆっくり!

しのぎ面と刃先がしっかり砥石に密着している状態で動かすこと

それだけに集中します。


簡単な刃物で練習する


手の大きさにもよりますが、幅40ミリ程度の鉋が一番研ぎやすいと思います。

加えて薄い刃よりも厚い刃が研ぎやすいです。

厚い刃はしのぎ面が広くなるので安定します。

条件を満たすのが台直し鉋の刃です。

それを使って一連の作業を習得し、それから好みの鉋を買うと良いでしょう。

ヤフオクなどで鉋身(刃)だけを買うこともできます。

なんか人間って難易度の高いことに挑戦したくなりますが、やはり簡単なものから段階的にステップアップしたほうがいいですね。

間違えても寸8の本番用高級カンナで練習をしないように!!


※余談ですが、包丁を正確に研ぐことがめちゃくちゃ難しいのは

この理屈でお分かりだと思います。

販路拡大のために、一般の人向けに高級砥石が販売されていますが(刃の黒幕など)

ちゃんと研ぐのは不可能だと思ってください。

私も完璧には研げません。

数百円でプロが機械で研いでくれるので、そういったサービス利用しましょう。



初心者は引いて研ぐと感覚をつかみやすい


通常刃物は押して研ぎ、引いてくる動きは戻るためと考えます。

練習を始めたばかりで、しのぎ面と刃物の一体感が感じられない段階では、特に引いて研ぎます。


私も一日の初めや刃物の持ち替え時は砥石の奥から引いて研ぎます。

まだ感覚が研ぎ澄まされていないからです。


しのぎ面を砥石に密着させるためには、手前側に力が掛かっていることは分かると思います。

なので押して研ぐ作業は、指先を手前に押しつけながら、腕を前進させる、という厄介な動きということです。


まだ慣れないうちは、ピッタリ砥石に密着させて、そのまま引いてきて、引ききったら浮かせてまた奥に持っていく、この繰り返しを試してみてください。

ちなみに鑿は引く動作だけでも研ぐことは可能です。

鉋は恐ろしく時間がかかるので、やはり押して研ぐ方が無難です。


少しずつ違うことを試す

たとえば、足の位置を変えるとか目線を変えるとか、指の置き方を変えるとか、砥石台の高さを変えるとか、変化はいくらでも付けられます。

特に大切な変化は指先に入れる力です。

入れすぎると引っ掛かって動かないし、抜きすぎると密着の感覚がわからない。

上手くいかないときは少しずつやることに変化を付けてみてください。

そしてそれを記録しておいて、どういうときにうまく研げたかを後で振り返ると答えが見えてきます。


刃裏(はうら)は超重要です!


当たり前ですが、刃裏もとても重要です。

しのぎ面がうまく研げるようになってから目が向くと思いますが、裏は仕上がりの早さと切れ味に重要な意味を持ちます。

上手く研げているのにどうも切れ味が悪い、そんな時は

裏の状態が良くありません。


常に糸裏を保つと、仕上げ砥石で数回撫でるだけで刃先までしっかり平面を作ることができます。

糸裏を保つためには裏打ちの技術が必須になります。

私も何度か鉋を割って...やっと習得しました。

出したいところを数回打つだけで出せるようになると作業効率が格段に上がります。

長期的にみると、裏打ちをまず習得すべきかもしれません。


決してやめない、あきらめない!

最後に精神論です。

刃物研ぎはいくら時間がかかっても習得に値する素晴らしい技術です。

生活、考え方をも変える力を持っています。

諦めずに続けてさえいればどんな人にでも必ず習得できる技術なのでコツコツ毎日続けてみましょう。

どうしてもうまくできない方は相談に乗ります。

ご連絡ください。


※ちなみに、下手な人が練習をすればするほど刃物の形は崩れていきます。

形が崩れた刃物でいくら練習しても上達しません。

その時は電動のグラインダーで形を修正する必要があります。

これも忘れずに覚えておいてくださいね。



まとめ:研ぎは木工の醍醐味、一生ものの技術

木工作業における刃物研ぎは、基本であると同時に、もっとも難しい作業です。

刃物研ぎさえマスターすれば、ほとんどの人が大工仕事を十分にできると私は思います。

それほど、切れ味と長切れ(刃先の耐久度)は重要です。

ですが毎回同じように研ぐことができるようになるには、鍛錬が必要です。

私は職業訓練校の木工科の2年課程を卒業しておりますが、その期間内に習得することができず

その後はだらだらと技能を補完することなく10年を過ごしてしまいました。

このままではいけないと思い立ち、研ぎとそれに関する技術を、思い切って時間をかけて再習得しました。

毎日3時間ほど研いで、3か月、中砥石1セット(通常2枚を同時に使います)、仕上げ砥石を一枚、潰しました。

思うように研げず、泣きながら研いだこともありますし、イライラしてものに当たってしまったこともあります。

恥ずかしい話です。

指がしびれて動かなくなったことも、あかぎれで絆創膏だらけになったこともあります。

ですが何とか一連の動作と考え方をものにし、今では普通の職人さんレベルの研ぎはできていると誇れるほどにはなりました。

ですが、油断はできないので、毎日1時間は研ぎと刃物の調整に時間を割くようにしています。

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