【完全図解】障害物を避けるテンカラキャスティングのコツ

2021/09/12

テンカラ

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テンカラのキャスティングをする際は、真後ろよりも頭上を見上げましょう

ほとんどの場合、後方よりも頭上の枝に引っ掛けます。

じゃあ頭上に障害物がある場合はどうすればいいのか、というのが今回のお話です。


フィールドではまず頭上を確認します


テンカラはせり出した木や草、水辺の葦などに引っかかることが多い釣りです。

フライは真後ろにスペースが必要ですが、テンカラは頭上にスペースが必要です。

フライのように後ろにスペースが必要なように思われますが、ラインはちょうど自分の真上でSの字を描くような動きをします。

なので、木に囲まれた渓流ではキャスティングの前に、自分の真上に枝がないか確認すると良いでしょう。

テンカラ釣りをしている人はキャスティングの前に空を見る癖があります。

予想以上に高い所までラインは飛ぶからです。

「まさかあんな高い枝には引っかかるまい」という枝にまんまと引っかかり、5分位ロスすることになります。

では、頭上に障害物があった場合はどうすればよいのか。キャスティングをあきらめるべきなのか。それを説明していきます。


水面上を這わせるようにサイドキャストをする


頭上に障害物があり、狙いたいポイントが上流にあるシチュエーション。

いつものように上に振り上げるのではなく、イラストのようにひじから先を水面と平行にし、バックキャスト(2時)→振り込み(12時)と腕を使います。

すると上流の狙ったポイントに落とすことができます。

ただ位置が変わっただけで、キャスティングの仕組み(振り上げ、振り込み)は同じです。

ラインが水面と平行に動くようなイメージです。

慣れるまでは失速しがちですが、次第に通常のオーバーハンドキャストと同じようにラインを操ることができるようになります。

このキャスティングでもしっかり止めることを意識してください。ピタッと振りを止めないとラインは飛んで行ってくれません。


水面上にも障害物がある場合はフリッピング


上を見上げても周囲を見回しても障害物がある
そんな場合は
フリッピングというキャスティングをします。

上の図のように、毛ばりをもって竿をしならせ、毛ばりをパッと離します。

竿の弾力を利用して毛ばりを飛ばすのです。

このフリッピングの精度が高くなると無敵になります。他の釣り人が狙わないとても小さなポイントに打ち込めるからです。めっちゃ釣れます。小渓流ではこのキャスティングがメインになることもしばしばなので、ぜひ身に着けてほしい技術の一つです。

しかし、仕掛けが軽いテンカラだとなかなか難しいのも現実。以下にコツを書いておきます。

ロッドの先端を少し上げておく

ロッドが地面と平行だと飛んでいく毛ばりが水面にぶつかりかなり手前に着水してしまいます。上の動画のようにある程度角度を付けてロッドを構えるようにしてください。

そして、ロッドを立てすぎていると今度は滞空時間が長くなりすぎて失速します。毛ばりを離した直後はロッドの反発の力で勢いよく飛んでいくのですが、その反発の力がなくなると途端に失速するのです。

ラインが伸びきる少し前にロッドをほんの少し下げて着水させるようにしてください。理想的な動きはポイントに向かって毛ばりがまっすぐに突き刺さるように飛んでいくイメージです。

仕掛けは短めにしておく

フリッピングをする可能性があるような狭い渓流に入る際には、あらかじめ仕掛けを短めにしておくとよいでしょう。

ロッドより30センチほど短い仕掛けにしておくと、扱いが楽だしフリッピングもし易いです。

そして、再度のキャスティングや仕掛けの回収、魚の反応があったときにも狭い場所だと短い仕掛けの方が有利になります。

なお、仕掛けを短くした場合は、竿を持つ位置を少し上げて短く持つようにしましょう。

ロッドは振り上げないようにする

ルアーフィッシングのフリッピングはルアーを離すと同時にロッドを振り上げます。

延べ竿でもそうですね。

テンカラはラインの先端が軽いので、振り子の原理ではなく、

ロッドのしなり、反発だけで飛ばします。ロッドはほとんど動かさない感じでOKです。

ロッドを水面と平行からやや立てて、そのまま毛ばりを引っ張って離す。あとは自分が使っているロッドの特性と引っ張り具合で飛び方が変わるので、練習して身につけてください。

キャステイング後に注意

フリッピングをしているということは、相当無理をして毛ばりをポイントにいれている、ということです。

なので、毛ばりを水から上げるときは、普段のようにやると、必ずと言っていいほど障害物に掛けてしまいます。

フリッピング後はそっと水からあげましょう。と言ってもいつもの癖で、勢いよく振り上げてしまい後悔します。

もしくは、竿を立てられない状況ならば、毛ばりが自分の足元まで流れてくるのを待って回収するという方法もあります。


まとめ:フィールドは変化に富んでいる


このほか、実際には様々な状況下でキャスティングをすることになるので臨機応変に対応できるようになると釣りの幅が広がります。

フィールドではいろいろ考えて、工夫をしてみましょう。

これもまた釣りの楽しみ。時にはロッドを変えたり、釣り方自体を変える必要もあるでしょう。

そして、一つ大切な考え方として...枝に掛けて時間をロスするよりは次のポイントに移動したほうが良いケースも多々あります。

繰り返しになりますが、テンカラの場合はとりあえず、「頭上注意」です。頭上や周囲に障害物がある場合は、水の上をサイドキャストするか、フリッピングで狙った流れにそっと毛ばりを落とします。

どうしてもキャスティングができないときは、玉ウキを使う方法もあります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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