テンカラの語源と歴史を知っておいても損はない

みなさんテンカラの語源をご存じでしょうか?どのような歴史的背景があるのでしょうか。

やるからには起源を知っておきたいものです。一緒にちょっと勉強してみましょう。

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テンカラの語源は【諸説あり】です

天から説

毛ばりが天から降りてくるからテンカラ、というもの。私的にはこれが一番好きなのですが、おそらく違うでしょう。

現代語だし、わざわざ昔の職業釣り師がそんなロマンのある表現をすることもないでしょうから。

でも、毛ばりがふわっと宙を舞い、水面に落ちるさまはまさしく「天から」なんですけどね。きれいにキャスティングできたときなんかは特にこの説にうなずいてしまいます。

テンガラ(蝶の方言)説

ネットで見つけた説です。こちらのサイトを参考にしてください。

和風毛バリ釣り。テンカラの語源は蝶々だった!

なんと東北地方の方言で、蝶(ヒルから派生)のことをテンガラ・テンカラ・テングラなどと呼ぶらしいです。

ここまではっきりと言葉が残っているし、まして東北地方は釣りが盛んだし。詳しくは上記サイトを読んでみてください。面白いですよ。今のところ、これが一番有力な説だと思われます。

十人十色で「Ten collor」説

これはユニークな説です。

後述しますが、テンカラはシンプルゆえにその人のカラーが出やすい釣り方です。

十人十色だから Ten collor.

思いついた人は余程テンカラ愛が強いのでしょう。最期は素敵な説のご紹介でした。

テンカラは元々川漁師やマタギの釣り方でした

趣味ではなく実用的なもの

昔の渓流釣りは今のような娯楽ではなく、漁の一種でした。

川で漁をする人は、当然なるべく時間をかけずにたくさんの魚を取って、街に出て販売をし稼ぎを得たいところ。

そこで、竹竿と馬素と呼ばれる編んだ糸、フィールドで手に入る自然素材を使った毛ばりで、餌の交換やライントラブルもなく、次から次へとヤマメやイワナを釣りあげていったのでしょう。

素早く効率よく数を釣る

ということで、現代のテンカラタックルもどちらかというと素早く数を釣る方法です。

それに毛ばりの種類やハリスの素材を変えることによって浮かしたり、水面直下をキープしたり、深く沈めたりと、アレンジをして釣り人それぞれのスタイルを確立しています。

大物狙いも可能ですが、テンカラロッドは膨大な数のキャスティングをしても疲れないように軽く、よくしなるように設計されており、ルアーやフライのロッドのようなごついモデルは存在しません。

一部本流用の竿(みゃく釣り用)を転用し、本流で大物を狙うテンカラ釣り人もいます。

テンカラの楽しみ方は人それぞれです。

きわめてシンプルで環境に配慮した釣り方

道具が少なくサムライ的

テンカラは機械的なものを使わない釣りです。

さらに伝統的なテンカラはすべて自然素材で構成されていました。

今のテンカラはカーボンロッドと化繊のラインに変わりましたが、そのシンプルさは変わっていません。竿と糸と毛ばりがあれば魚を釣ることができます。

道具に頼らない分、頭脳と体が覚えた経験に頼る部分が多くなります。釣り人の技量がほかの釣りよりも問われるわけです。

道具ではなく人間が全ての釣り

その人間とは何か。

いくつかありますが、どこにどのような順番で毛ばりを流すのかという識別眼と、体を動かすアプローチの行動です。

頭で理解していても体がその通りに動いてくれないと、結果にはつながりません。

逆に、いくら体が思い通りに動いても、頭がプロセスを理解できていないとうまく釣ることは難しくなります。

このほかに、季節や天候の要素、日照や時間帯、狙う魚種による違いなど外的な要因も多く、さらに釣りを複雑なものにします。こういった複雑なものに挑む際は、シンプルなものほど適宜応用が利くということなのかもしれませんね。

魚や鳥を大事にする釣り方

やや矛盾を孕みますが、釣りのなかでは最も環境に配慮した方法でしょう。

道具も少なくて済みますし、仕掛けを失くすことも少ない釣り方です。

ですが、頭上の木や枝に引っ掛けやすいのがテンカラなので、その点には気を付けましょう。それらフィールドに残されたラインやフックは野鳥にとっては脅威となります。

バーブレスフックを使用するとさらに環境に対して優しい釣りが可能です。

リリース時に魚に無駄に触ることもなくなりますし、万が一ラインが切れて魚の口にフックが残ってしまったとしても、自然に外れる可能性が高くなります。

※なお、釣りをしないことが一番環境に良いという意見はごもっともです。反論の余地はありません。この件についてはまた別の機会に言及したいと思います。

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