【テンカラのキャスティング】なぜうまく飛ばないのかをイラスト解説

テンカラのキャスティングって意外と難しいんです。全然飛ばないとか、何も見えない、とかそんなことをたまに耳にします。

上手くキャスティングできないときはどうすればよいのか、テンカラ歴7年の私がイラストと動画を交えて解説します。

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テンカラのキャスティング方法を図解します

基本のキャスティングはこんな感じ

竿を振り上げて(腕は12時の位置)、一息待ってから前方に振り込む(腕は2時の位置)これが基本です。思っているよりロッドは動かしていません。

毛ばりが流れているときは2時のポジションをキープし、流したいポイントを通過したら竿を12時の位置へ振り上げる、これの繰り返しです。

腕の動きは常に12時と2時の位置ですが、これに若干の手首の動きと竿のしなりを利用します。

上のイラストを見ていただけるとよくわかると思いますが、ラインはロッドの動きからワンテンポ遅れて動き出します。これを忘れているとラインが後方で伸びきらないうちに振ってしまい、まともに飛びません。

ライントラブルを防ぐ工夫

振り上げと振り下ろしは少しずらして行い、新体操のリボンの要領でくるくるするイメージで練習するとよいです。

上のイラストは少し大げさに表現していますが、振り上げは少し頭側に寄せて、振り下ろすときは少し頭から離して、ラインの軌道が円を描くようにします。

そうする理由は、こんなにシンプルな仕掛けなのに、テンカラはライントラブルが頻発するからです。フライやルアーをやっている人には信じられないかもしれません。

振り上げと振り下ろしを同一線上で行うと、行きかえりのラインと毛ばりがぶつかってしまうからです。

うまく飛ばない原因は?

ロッドを振りすぎている

2時の位置で止めずに3時4時まで振り下ろしていませんか?

たしかに、物理的には3時の位置が最も遠くまで毛ばりが届くはずなのですが、それだとラインがきれいな軌道を通らずに全く飛んでくれません。2時で止めるからスルスルとラインが飛んでいきます。

ロッドと地面とラインで三角形を作るイメージでキャスティングをしてください。

どうしても振りすぎてしまうときは、空いている手でひじを支えてあげましょう。コントロールしやすくなります。こうすることによって意識が肘と腕に向くので、振りすぎを抑えることができます。私もたまにやってきれいなキャスティングを思い出すようにしています。

特に強風下だと姿勢が崩れやすいので気を付けましょう。

力んでいるときれいに飛んでくれない

おりゃっ!って振っていませんか?

振り上げと振り下ろしの動作は意外とゆっくりで、竿が鳴るほどのスピードで振る必要はありません。

しっかり12時と2時の位置でピタッと止めると、竿もしなってくれてラインが気持ちよく飛んでくれます。シャープに振ることが大切で、パワーや勢いは不要なんです。

打ち込む、というよりは、頭上をくるっと回してパッと離してふわっと着水、そんなイメージでキャスティングしてみてください。

するする伸びていくラインの先端に毛ばりが付いていて、ラインが伸び切り毛ばりが中空でピタッと止まってふらふら水面へと落ちていく...そんなイメージがベストなキャスティングです。

頭上で待てていない

ラインは竿より遅れて動き出します。竿の先端にラインが付いているので当たり前のことではありますが…

上の動画のように、後方に飛んでいくラインが伸びきる前に振り下ろしてしまうと、ラインがごちゃごちゃになってしまい失速します。

そして、待たずに次の動作に移ってしまうときれいに飛ばないばかりか、最悪ライントラブルにつながります。

振り上げ動作をしたら、一瞬待ってから次の振り下げに移りましょう。12時の位置でどれくらい待てばよいのかは、使っている仕掛けの長さや当日の風などのコンディションによって違ってきます。

その感覚は慣れてきたら簡単にわかるので、まずは振り上げたら1拍おくということを意識しながら練習をするようにしてください。思いのほか長い間を取るイメージです。

まとめ:簡単な条件から始めよう

始めたばかりのころは、簡単な条件下で練習をしてください。風がなく流れが緩いポイントです。やっていればそのうちにうまくなります。

でも、どうせならスマートで見栄えのする釣り人でありたいもの。姿勢を良くして12時と2時の間を行ったり来たりしてください。

上述したように、練習として頭上で新体操のようにラインをクルクル回してみるのもいいでしょう。丁度良いラインスピードをつかむために良い訓練となります。

そして、仕掛けもキャスティングに大きく影響します。レベルラインのテンカラだと空気抵抗が少ないのでよほどの向かい風でない限りはキャスティングが可能なんですが、毛ばりがうまく飛んでいかない原因になっているケースがあります。

毛ばりは空気抵抗の少ないものにしましょう。毛ばりがフカフカのボリュームのあるタイプだと空気抵抗で全く飛びません。

初心者の人でフライのドライ毛ばりを買ってきて始めたんだけど、全然飛ばない、という人はこれだと思います。

以下のリンクを参考に、ソフトハックル(ダウンジャケットから出てくる羽毛みたいなやつ)で巻いた毛ばりを使ってください。よく飛びますよ。

ということで、今回はここまでです。あなたの毛ばりがきれいに飛びますように。

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