【ランディングネットの自作】治具を一度作るとずっと使えます

2019/06/22

テンカラ 木工

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ランディングネットを自作する際、通常はグリップ材と3枚(もしくは4枚)のフレーム材を積層し接着します。

薄板とはいえ曲げるのはなかなか大変な作業で、さらに隙間なく接着をするために力をかける必要があり、正確に作るにはある程度しっかりとした冶具が必要になります。

ということで、50本余りランディングネットを制作販売した私が使っている冶具を紹介します。

ランディングネット制作に大切な治具


ランディングネットの自作において、満足のいく出来栄えを求める方は少し遠回りしてこのような冶具作りから始められると良いでしょう。

オフシーズンにたっぷり時間をかけてDIYを楽しむのも釣りの醍醐味かもしれません。

一台作ってしまえばフレームを大量生産することも可能です。


まずは合板もしくはランバコアを用意します。

制作幅より1ミリ厚くするとよいです。

15ミリのランバコアで冶具を作り、14ミリ幅で制作するのが無難でしょう。

それを図面のフレームの内周に合わせて切り出します。

なお、原寸図は手書きでもいいでしょう。


丸鋸で荒取り、ドラムサンダーで仕上げという感じです。

手作業では大変なので、丸鋸で大体の形にしたところで、公共の木工スペースやドラムサンダーを持っている友人知人に借りるなどして、楽に正確に作業をしてください。

グリップ材を合わせる部分は下の画像のようにグリップ材の終端(細くなっている先の部分)を直線で結んだラインで切り落とします。ここにグリップ材を固定するわけです。

型ができたら、グリップ材を固定するための部品の制作をします。

2枚の板と3本のボルトを使い、下の画像のように作ります。これでグリップ材をずれないようにしっかり固定し、接着後は完全に取り外すことができます。

グリップ材側の2本のボルトは、仕上げ線の内側(2つ上の画像のピンクの部分)に来るようにします。

少し話が戻りますが、15ミリ厚で冶具を制作し、14ミリ厚の本体という話を先ほどしました。この冶具にグリップ材を取り付ける時は厚紙などを挟んでからボルトを締める、ということになります。ちょっとわかりづらいですかね...

画像では見えていませんが、ボルトは全ねじタイプでも、頭が付いているタイプでもどちらでもOKです。要は完成後に全て取り外すことができれば良いのです。

ここまで出来たら一度グリップ材の固定部分を外し、フレーム材を縛り付けるためのねじを取り付けていきます。

使うネジは半ネジタイプにします。

ちょうどネジが無い部分に紐を引っかけて縛り付けます。これが全ネジだと紐を痛めてしまい切れる原因になります。

適当なスペーサーを使い等間隔にねじを入れていきます。ここで気を付けるべきことが2つあります。下の画像を見てください。


ネジは内側に若干傾けて入れます

ネジには相当な力が掛かるので、内側に傾けることで紐を根元まで引き寄せ、すっぽ抜けを防ぎます。

ネジは表裏でずらします

表と裏、交互に紐を引っかけていくので、そうする必要があります。

ネジの間隔は2~3センチといったところです。

使ってみながらちょうど良いバランスを探してください。


さてこれで制作ジグは完成です。

一番厄介な作業は最初の型の削りだしかもしれません。電動工具も必要になりますし。


グリップ材を取り付けてみます


この状態でフレーム材を接着していくわけです。

最後にグリップ材を取り付ける際に気を付けることを2点ほど...

・グリップ材に開けるボルト穴は若干大きめに開ける。
ぴったりだとうまく嵌りません。グリップ材には1~2ミリ大きめの穴を開けてください。

・グリップ材は型よりわずかに出るように作る。
型とグリップ材の境界のことなのですが、グリップ材が型よりも凹んでいるとうまく接着できません。少しだけ(指でなぞってわかる程度)出るように、グリップ材がわずかに大きくなるように作ります。
(画像の丸で囲った部分のギャップのことです)

実際の接着作業についてはまた今度説明させていただきます。

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